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名古屋大学医学部附属病院腎臓内科日記

当教室の後期研修医の日記も随時更新中です。

ISSCRに行ってきたよ4

 第4話 ラーメンと帰国前夜と

 第3話あらすじ:気球を買ったよ。ロストしていた荷物が届いたよ。

 4日目。ストックホルムはこの時期、日が長い。夏至近くなのだから当然である。朝は3時台に日の出、夜は10時近くに日没である。日本との時差もはたらいてか、3人とも早寝早起きを繰り返していた。みんなだいたい4時~5時台に起きるという具合である。
 この日は観光もそこそこに、学会に向かった。
 今更感が際立つが、説明すると、今回の国際幹細胞学会、ISSCRに向かったのは、腎臓内科にある研究班の1つ、再生班に属する3名である。この日、その再生班が研究を行っている間葉系幹細胞のセッションが予定されており、あと、一応、神村君のポスター発表も控えていた。
 金先生の時もそうだったが、この学会のポスターは写真付きが推奨されている。しかし、写真付きのポスターが展示されてるなんてなかなかの罰ゲームである。ポスターを貼ったはよいものの、神村君なんかはもう恐ろしくて自分のポスター周辺をモニターできない。坪井先生から、ポスター、結構見られているよ、なんて報告を受けて、ますます恐ろしくなる。
 神村君のポスターの写真は、つい先日行われた腎臓学会で撮った写真を使用した。まあ、それなりにきちんとした格好をしていたので、採用されたわけだ。難点は、たまたま後ろに、どこの誰とも知れないおじさんが映り込んでいたことである。さすがに後ろのおじさんと誤解されることはないかもしれないが、誤解されたら誤解されたでもう全然構わないくらいの気持ちであった。
 幸い、質問をしてくれた方はとても優しい人ばかりで、何とかトラウマを残さずに終えることができた。
 さて、この日、特筆すべきは夕食のラーメンである。店名はshogunといい、観光地ガムラ・スタンにあった。店の前には豚骨ラーメンの写真が掲げられていて、なかなか珍しい印象を受ける。
 この店のシステムはトッピングとメインを選ぶものになっていた。トッピングは唐揚げ、焼き肉、焼き鳥、ワンタン、天ぷら、チャーシューなどなど。メインの選択肢はラーメン、うどん、ご飯。一般的な日本人の感覚からすると、コンセプトが行方不明、と言いたくなる。
 メインは全員ラーメンを選択。トッピングは坪井先生が唐揚げ、金先生が焼き肉、神村君が焼き鳥を選択。
 唐揚げは小皿に盛られていて、たれ付き。唐揚げ自体はまずまずで、たれは甘いめんつゆ。焼き肉はラーメンの中に入っていて、味は想像の範囲内。焼き鳥は串に打たれていたが、味はかなりスタンダードなもので、多分、この店で一番おいしいのではないかと想像。問題は焼き鳥がラーメンの中につっこまれていたことくらいか。
 ラーメンは写真とは裏腹に豚骨ではなく、一見醤油系。具に大根とさやえんどうとにんじんが乗っていたことは仕方ない、目をつぶろう。ただ、味は完全に予想の範囲外。無理矢理表現するとめんつゆの塩分を取り去って、甘くしたみたいな味である。おそらくだが、唐揚げのたれと同じものがベースかもしれない。無言でラーメンをすする一行。その胸中はいかばかりのものであったか。店主はこちらが日本人と知るや、日本との違いを楽しんでください、と言っていたので、皆さんも楽しんでいただきたい。
 さて、明日は帰国である。神村君の懸念はとにかく陶器の気球である。この日、ハウスキーピングで気球を割られては困ると考え、ハウスキーピングお断りの札を部屋に掲げていたくらいだ。行きでロストバゲージしていたので、預けるのは論外で、手持ちのバックに入れることにした。
 しかし、アンティークの店のお婆さんが気球を包んでくれた紙と段ボールでは心もとない。どうしたものかと思案した結果、一つの解決策が思い浮かんだ。空港でもらったアメニティセットのパッケージである。やわらかい素材でできていたので、口を大きく開けると気球を入れることができ、意外にもジャストフィットした。ただ、ファスナーは閉まらなくなったので、外見は紅茶のティーポットカバーみたいになった。フィンエアも、iPadカバーに使えるよ、と書いておいたものが、気球のカバーに使われるとは想像もしていなかっただろう。
 アメニティセットを使い切った満足感の中で神村君は眠りについた。
 このとき、明日は帰るだけ、というのが一行の認識であったはずだが、その予測は空しくも裏切られることになる。

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